子供の頃から貧しいのが嫌だった。
我慢しなくて済む生活に憧れた。
高校を中退したのは
生き方を均一の枠にハメ込もうとする
仕組みへの反抗が一番の理由だったけど
すぐに稼いで欲しい物を手にしたかった！
というのも理由の一つだった。
何でもいいから30歳までに社長になる
とだけ、
恐れることもなく思っていた。
20代は煩悩に満ち溢れていた。
どうしたら儲かるか？
どうしたらモテるか？
それくらいしか考えていなかったように思うし
それだけで頑張れた。
お金は幸せの絶対条件だと思っていた。
人生はお金じゃない…などというのは
挑戦しない者の言い訳だと思っていた。
随分と薄っぺらで
未熟な若者だったことだろう。
30代でやっと貧乏から脱出できたと思った。
独身だったし
特にお金に困ることもなく
毎日を好き放題に暮らしていた。
交友関係も広く
毎晩のように飲み歩いていた。
そんな生活をしばらく続けた頃
何かが違うと思うようになっていった。
欲しい物を買っても
行きたい所へ行っても
やりたい事をやっていても
何かが違うと思った。
自分の快楽のためだからだろう。
満たしても満たしても
生活が派手になるだけで
キリがないことが想像できた。
過去を振り返ってみると
他人との比較の中で
自分の幸せ度を計っていた。
そんなふうに思った。
あなたの幸せの基準はなんですか？